採用お役立ち情報 2024.02.16

【WHY JAPANESE PEOPLE!】就職後3年以内の離職率、大卒3割超。 原因と対策を考えてみた。

#筆者:山川#統計#データ#離職率#キャリア焦燥感

採用関連の仕事をしていると必ず耳にする「入社後3年以内の離職率30%以上」という言葉。会社が一人採用するコストは平均90万円。あくまでもこれは採用コストであり、そこから育成なども考えたら...かなり痛いダメージとなる。一体なぜそんなに退職者が出てしまうのか。対策方法は何かないのか。専門家の論文も参考にしながら考えてみた。

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    前回の記事はこちら

    大卒で就職したとき、3年以内に3割が辞める…現実。

    この現実は本当に悲しいですよね。

    一人当たり新卒を採用するのに平均90万円はコストがかかっているといわれています。

    その3割が退職してしまうことを前提に考えると、定着してほしい人数の×3×90万円

    つまり1名採用しようと思っても、将来的なことを考えると3名採用する必要性があるので、

    270万円となり、かつ、働き始めてからも育成コストがかかってきますので、

    本当にみなさん大変だなと思います。

    なぜ、辞めてしまうのか?

    この問いに関しては、いろいろと調べていたところ、興味深い情報を発見しました。

    筑波大学人間系の尾野先生と岡田先生が、実際に調査し、そのデータをもとに執筆している論文「若年就業者におけるキャリア焦燥感の構造:キャリア焦燥感尺度の開発(2014)」(論文データ:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaiop/28/1/28_31/_pdf/-char/ja)によると、

    「キャリア焦燥感」によるものの可能性があるという結論を出しています。

    このキャリア焦燥感は、特に「切迫感」「キャリア構築への衝動」「キャリアの概念」の3つの要素があるとのこと。

    「切迫感」・・・何ともしようがなく追い詰められた気持ち

    「キャリア構築への衝動」・・・目標に向けて早くキャリアを構築しようと駆り立てられる気持ち

    「キャリアの概念」・・・現在の自分や今後の自分のキャリアについてのきがかり

    どうでしょうか?みなさんの人事や個人、それぞれの経験の中でも思い当たる節はありますでしょうか?

    ちなみに、余談ではありますが、昭和生まれの私個人のお話をしますと、

    2回転職していますが、2回とも違う理由になっております。

    1回目は、「働く環境に馴染めなかった。※もしかしたら切迫感に近いかもしれません」

    2回目は、「経営状況における問題(リーマンショックの影響)」です。

    では、どうしたらいいのか?

    この問いに関しては、前述の先生方もいろいろと論じていますが、

    私の考えとしては、以下の3つが考えられるんじゃないかなと思います。

    ①相談できる相手の創出 ②キャリアビジョンの見える化 ③承認欲求を満たせる評価制度

    ①相談できる相手の創出

    「切迫感」「キャリア構築への衝動」「キャリア概念」ともに、全部自分の中のみで考えてしまって焦っていたり、追い詰められたりしているのではないでしょうか。自分の中のみで考える = 視野が狭い状態になるので、その視野を少しでも広げる機会があれば、キャリア焦燥感というものが緩和されるのではないかなと思います。この時に注意したほうがいいかもなと思うのが、「相談」= 面談みたいな、かしこまった場をつくるみたいになってしまうかもしれないのですが、よほど信頼関係がない限りそういった場では本音は意外と語らないもの。もっと気軽に、カジュアルに相談できる場、情報交換ができる場を、意図が見えないようにやってあげるといいのかもしれません。

    ②キャリアビジョンの見える化

    大企業はほとんど問題なくできていると思うんですが、中小零細企業にとってはここは大きな課題ですよね…キャリアステップといっても、そこまで変化がなかなかつけられる会社のみとは限りません。それでも1年後にはこういうことができて、5年後にはこういうことにチャレンジができるようになっているはずだと、図にできなくても、お話ができるといいですね。特に小さな会社では社長の想いがとても大切になると思うので、社長が「何度もビジョンを語る」が一番の特効薬かもしれないです。(私も頑張ります…)

    ③承認欲求を満たせる評価制度

    査定とかだと、マイナス式のものもあるかなと思いますが、そこはできるだけ、「〇〇ができるようになったね」「次は〇〇に挑戦できるように心がけていこうか」とポジティブな面に目を向けた評価制度が必要ではないかなと思います。できるようになれば、キャリアを一つずつ上っている感覚にもなるので、キャリア焦燥感を緩和できるのではないでしょうか。

    どんな対策も、社風文化や仕事とのマッチがなければ意味がない

    僕はよく思うんですが、就活生目線で言えば、働く前からこの会社が自分に合うかなとか、この仕事、自分に向いているかなとか、そんなことは恐らくわからないと思うんです。もちろん就活生自身も自己分析はとても大切で、かつ、素直な気持ちで就活をすることも大事になってくると思います。一方で企業側も、あまり自分たちの社風文化を今の就活生に合わせようとしすぎて湾曲させないことも大切なこととなります。より良いマッチングがしやすい環境・社会を作っていけるよう、そんな情報発信・自己PRをお互い心がけていけば、この離職率の数字はもっと変わってくるのではないでしょうか。

    そして、弊社ファニプロではそういった素直な情報発信、離職率の低下、定着率アップにつながるような採用活動のサポート=採用ブランディングやクリエイティブをいつも心がけておりますので、もし何かございましたら、お気軽にご相談ください。最後にちょっとだけ営業させていただきました。

    「山川」へのご指名も、喜んで承らせていただきます。

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