2025年度に実施されるインターンシップから、これまでのインターンシップが4つのタイプに類型化され、さらに一定の基準を満たしている場合企業が得た学生情報を採用活動に使用できるようになりました。
そこで今回は、これまでのインターンシップの考え方と、新たに定義されたインターンシップ、企業におけるメリットについて、ご紹介します。
CONTENTS
インターンシップの新定義
2022年6月に、経済産業省、文部科学省及び厚生労働省は「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)を改正しました。これは、2021年4月に「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(産学協議会)によって公表された報告書の内容を受けたものです。
主なポイントとしては2点。一つは、インターンシップ等の学生のキャリア形成支援に係る取組を4つのタイプに類型化したこと。もう一つは、一定の基準を満たすインターンシップで取得した学生情報を、広報活動・採用選考活動で使用可能になったということです。
類型化された4つのタイプ
具体的には、これまでのインターンシップが下記4つのタイプに分類されました。
具体的な特徴として、タイプ1とタイプ2は就業体験を必須とせず、インターンシップとは称さないこと。インターンシップと称して実施するタイプ3とタイプ4は就業体験が必須であることです。
類型 | 取組みの性質 | 期間 | 就業体験の有無 | 取得した学生情報の採用活動への活用 |
---|---|---|---|---|
タイプ1:オープン・カンパニー | 個社・業界の情報提供・PR | 超短期(単日) | × | × |
タイプ2:キャリア教育 | 教育 | 短期(1~3日)~長期 | 任意 | × |
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ | ・就業体験 ・自らの能力の見極め ・評価材料の取得 | ・汎用的能力型は短期(5日間以上) ・専門活用型は長期(2週間以上) | 〇 | 採用活動開始以降に限り〇 |
タイプ4(試行):高度専門型インターンシップ | ・就業体験 ・実践の向上 ・評価材料の取得 | 長期(2ヶ月以上) | 〇 | ▲(試行中) |
出典1:採用と大学教育の未来に関する産学協議会 2021 年度報告書「産学協働による自律的なキャリア形成の推進」
出典2:「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
以下でそれぞれのタイプについて簡単に紹介します。
タイプ1:オープン・カンパニー
「個社・業界の情報提供・PR」を目的とした取組みです。就業体験は「なし」で、産学協議会の定義ではインターンシップとは称されません。
会社紹介がメインのワンデーインターンシップなどは、こちらのタイプになります。
タイプ2:キャリア教育
「教育」を目的とした取組みです。就業体験は「任意」で、産学協議会の定義ではインターンシップとは称されません。
こちらのタイプでは、企業のCSR活動や、大学が主導するプログラムがメインとなります。
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
「就業体験、自らの能力の見極め、評価材料の取得」などを目的とした取組みです。就業体験は「必須」で、採用活動開始以降に限り、取得した学生情報の採用活動への活用が可能です。
タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行中)
「就業体験、実践の向上、評価材料の取得」などを目的とした取組みです。就業体験は「必須」で、採用活動開始以降に限り、取得した学生情報の採用活動への活用が可能です。
こちらのタイプ4に関しては現在試行中のため、今後内容が変更になる可能性があります。
学生情報を採用活動に使用できる条件とは?
取得した学生情報を採用活動へ活用する場合、いくつかの条件を満たしている必要があります。インターンシップの実施(開始)時期による学生情報の取り扱いについて、下表にまとめました。
インターンシップの実施(開始)時期 | あらかじめ広報活動・採用選考活動の趣旨を含むことが示された場合の取り扱い |
---|---|
卒業・修了前年次2月末まで (採用活動開始前) | タイプ3のインターンシップに限り、取得した学生情報を3月以降は広報活動、6月以降は採用選考活動に使用可能。 |
卒業・修了前年次3月~5月末まで (広報活動開始後かつ採用選考活動開始前) | 学生情報を広報活動に使用可能。 タイプ3のインターンシップに限り、取得した学生情報を6月以降は採用選考活動に使用可能。 |
卒業・修了前年次6月以降 (採用選考活動開始後) | 学生情報を使用可能。 |
出典:「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
実施内容を見直すべき?企業にとっての3つのメリット
ここまでご紹介したインターンシップの新定義をふまえ、各企業がこれまでのインターンシップ内容を見直すことはさまざまなメリットがあります。ここでは、考えられる3つの大きなメリットをご紹介します。
1.学生からの信頼度の向上
産学協議会の基準を守ることで、「産学協議会基準に準拠したインターンシップ」と称する(準拠マークを付す)ことが可能となります。そのため、学生側からの信頼度が向上し、企業のブランド価値を高めることにつながります。
2.社会からの信頼度の向上
産学協議会の基準に沿ったインターンシップ等の取組みを積極的に企業が行うことで、CSR(企業の社会的責任)に対する取組みとして認知され、社会からの信頼度が高まります。
3.教育的効果
タイプ1~タイプ4までのインターンシップ等の取組みを提供することで、学生が適切な知識やスキルを習得し、より実践的な人材となる可能性が高まります。特に、就業体験を組み込んだインターンシップの実施は、就職後の職場への適応や定着率の向上にもつながります。
以上のように、産学協議会による基準に準拠したインターンシップを行うことは、企業にとって大きなメリットがあるため、ぜひこれまでのインターンシップの内容を見直してみることをおすすめします。
参考:「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
まとめ:インターンシップ実施の準備はお早めに
インターンシップの扱いが変更になり、企業の採用担当者の中には、これまでのインターンシップの内容を見直し新たな企画を検討中、という方も少なくないのではないでしょうか。
弊社では、今回分類された4タイプにあわせた、インターンシップ企画・制作のサービスを提供しています。オープン・カンパニーで使用したい採用動画、インターンシップの参加者募集用のLP制作など、幅広いコンテンツ制作が得意です。
「オープンカンパニーで何をしたらいいかわからない」「就活生が興味を持ってくれるインターンシップを企画したい」という方は、ぜひ一度ファニプロへご相談ください。
※本記事は2023年4月1日時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は経済産業省の下記ページをご確認ください。https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/intern/intern.html
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